2004年、国連は、日本政府の養子縁組についての監視、統制の不行き届き、データの少なさを非難、指摘し、ハーグ条約の批准を求めました。日本は1994年に、子どもの権利条約に批准し、21条に書かれた内容にしたがい、その後ようやく養子縁組が児童相談所でも進められるようになりました。先にも書いたように、児童保護施設では生みの親に戻すために、それまでは養子縁組を行わないことを基本としていました。

1983年のハーグ条約は正式名称は「国際的な子の奪取の民事面に関するハーグ条約」といいます。オランダのハーグの国際司法会議で作られました。国際結婚や離婚に伴う、親権のあり方、特に離婚した場合、片方の親が子供を連れて一方の国に帰った場合、子供は元の国に返還しなくてはなりません。連れた帰るにはさまざまな理由が考えられるが、結果として子供の権利、つまりもう一方の親に会う権利、これまで暮らした国に戻る権利を子供から奪ってはならないというものです。この条約は、たとえば国際養子縁組で起こる悪徳なケースにおける国外流失を防止することにもつながるものです。条約の前文では、「子どもの幸福のためには、愛情と理解のある家庭環境の下で成長すべき」と書かれ、なるべく出身国の家庭で育つことが基本で、それが叶わない場合、国際養子縁組が検討されるべきであるとしています。主要8カ国(G8)では日本だけが未加盟でしたがようやく、2014年加盟しました。法整備の遅れが、批准の遅れの原因とされるが、根底には島国である日本の国際感覚の無さと危機意識の薄さがあるのかもしれません。現在、両条約に加盟したことになり、法整備を国際社会の方針に徐々に近づいています。正しさがどこににあるのかは誰もいえることではありません。国際社会が正しいとは言い切れません、日本が遅れてきたのは、日本の文化的特質が背景にあるのでしょう。またそれにより、子供や親が実際にどのようなことが起こりうるのか、想像し、知る必要があるでしょう。