特別養子縁組制度の問題点は、家庭裁判所での審理の過程で実母側がいきさつをさらけ出さなければならないこと。実親と養親の住所や氏名が、裁判所の審判書を通じてわかってしまうこと、などがあげられます。

また、民間の国際養子斡旋団体の側には「日本より、養子縁組が一般化してオープンな雰囲気
の外国、特にアメリカの方が子どもが幸せになれる」と主張する声もあります。いわば、社会に根いた「養子文化」の成熟度の違いです。

日本弁護士連合会は、これらの点について、九一年に開かれた人権擁護大会・シンポジウムの基調報告書をまとめた『子どもの権利条約と家族・福祉・教育・少年法』の中で次のような指摘をしています。

「旧西ドイツのように養親、実親の氏名を明かさずに縁組する匿名養子、またはフランスのような実親の白紙同意を認めるべきであり、少なくとも審判において、秘密保持のため実親からの分離と養子縁組の二段階に審判を分けることが提唱されている」

「このように養子縁組において、秘密の保持に最大限の配慮がなされる理由は、これにより実親が身元を知られる心配なく子を養子に出せ、養親も実親の干渉なしに安心して養子を育てられることが、養子縁組を実効性のあるものとし、結局は子供の利益につながるとの考え方である」

実母にとって、望まない妊娠や出産は、できれば戸籍上もなかったことにしたいことなのかもしれません。