堕胎が罪になる場合、罪を問われるのは女性だけです。もう一方の責任者である男性は罪の責任は負いません。そのアイルランドで2018年、人工妊娠中絶を禁止している現行憲法をめぐる国民投票が行われ、、70パーセント近くの圧倒的多数でこの憲法の廃止を決定した。これまで母体の生命に危険がある場合のみ中絶が認められていましたが、強姦や近親相姦による妊娠には認められていませんでした。

 

日本では明治維新に堕胎禁止令がだされ、法制化されてゆきます。さらに富国強兵、戦争に備え、子供を多産することが推奨されるようになります。やがて女性の権利としての中絶の容認が訴えられるようになり論争が起こりますが、侵略戦争が進むにつれ統制は厳しくなり、見せしめ的な投獄も相次ぎます。加藤シヅエなど代表的な避妊などによる産児調節運動家にも弾圧が加えられました。第二次大戦後、優生保護法により条件付きで堕胎は容認されるようになりましたが、母体の保護目的でした。「優生上の見地から不良な子孫の出生を防止するとともに、母性の生命健康を保護すること」とあります。優生上の見地から不良な子孫とみなすことはいかにして可能なのか、また、母性の生命健康とは、子供を産むための健康な身体を維持させることが目的で、精神に与える苦痛はどうなのか、という疑問を残すものでした。1996年に「優生上の見地から不良な子孫の出生を防止するとともに」の部分が削除され。優生保護法は母体保護法になります。近年は少子化であり、社会問題として、子供を産み育てることへの援助が奨励されています。一方、女性がふたたび「生む機械」であるような発言があったり、産まないという女性あるいは夫婦の考えは、肩身の狭い想いを生じさせているともいえるかもしれません。