日本では、悪徳業者による人身売買に近い危険性もあり、推奨されることは極めて少ないのですが、世界的な視野で見れば、国際養子縁組は珍しいことではありません。日本人の養子を望む声は多いといいます。また、日本人の赤ちゃんは、親の薬物汚染などの可能性が少なく、健康的にも安全であると思われているようです。実際に日本でも数少ないといえる養子縁組のうち50人以上が日本国内ではなく、アメリカで養子として受け入れられているという事実があります。さまざまな事情によって、養育、保護してくれる大人を持たない子どもは日本を含めた世界中にいます。国や地域ごとに、養子縁組を必要とする子どもの数も、それぞれの持つ背景も異なります。そして、養子、あるいは中絶ということに対する社会の反応にも大きな違いがあります。

ヨーロッパの場合、二つの世界大戦の間に、孤児の急増と、博愛主義から早いうちに国際的な者も含む、法整備がなされていました。日本はもともと、単一に近い民族国家であるといわれ、さらに血縁意識が高く、純血をアイディンティティと考えられてきました。そのため、たとえば親に育てられることが困難な子供がいた場合、家族や地域でその養育をまかなってゆこうとする、共同体意識もありました。身近なところでは、祖父や祖母によって育てられた子供も多くいるはずです。しかし近年は家族の形態が変わり、核家族化が進み、地域共同体への帰属意識もうすれてきたため、それも難しくなっているのが現状です。たとえば意識の上においてアメリカは逆であり、特に、そもそも人種のるつぼであるアメリカは例が多く、著名な芸能人もさまざまな孤児を養子として育てている例もあります。つまり需要も多く、供給も多いという事情があり、オープンに養子そのものが社会に受け入れられているようです。ます。供給、すなわちもらわれなくては生きることが困難な子供が多いということは社会問題でもあります。