養子縁組は多くは、大人の事情によってなされてきました。あらゆる子供が親や環境を選んで生まれて来ることができないことは、あらゆる子供に当てはまることですが、大人の事情により意図的に悪環境に育てられることを強いられることがあります。養子になる、生みの親に手放される、いずれも子どもが自ら選んだことではなく、大人たちによる選択です。

国連ではこうした子どもたちが里親制度や養子縁組を通じて家庭で暮らすことを望ましいとしています。日本には実の親と暮らせない子どもたちが約46,000人存在します。その約84%は乳児院や児童養護施設で暮らしています。社会的な養護を必要とする子どもの8割以上は施設で育ち、施設から社会に巣立っています。欧米では施設で暮らす子どもの割合は低く、多くは里親家庭で暮らしています。イギリスは約70パーセント。フランス約55パーセント、アメリカでも約80パーセント、アジアでも80パーセント、韓国45%が里親の家庭で育っています。実親の元に戻ることが不可能な子どもに対しては、積極的に養子縁組が検討されます。児童養護施設とに入所する理由で最も多いのは親からの虐待です。施設では人員が足りず激務であるといわれ、さまざまな問題に対処しきれているとはいえません。子どもはそれを受け身ではなく、積極的に運命として受け止め、自らの人生として再構築していかなければなりません。乳児院で暮らす子どもたちは、平均して生後3ヵ月くらいで入所うるといいます。一年ほどで家庭に戻るといいますが、そのまま児童養護施設に進み、18歳までそこで過ごす子供もいます。

また18歳で出所後も、施設での集団生活から、いきなり一人暮らしを余儀なくされ、社会適応が難しい場合がみられます。このような現状から、子供が家庭で育つことの出来る制度の整備が急がれ、ようやく特別養子縁組制度のが1989年成立しました。しかし今なお、日本では施設で生活する子どもが8割を超えています。